同じ形を大量に作りたいときや、ワークショップの資材作りなど、ペーパークラフトをする上でカッティングマシンの導入を迷われている方は多いのではないかと思います。
私は半年ほど前に迷った末にカッティングマシンを購入しましたが、参考にできるブログは少なく、「使ってみないとわからないな。イチかバチか」というような気持ちで購入しました。
今検討されている方のために、使い心地をレビューしておきたいと思います。

購入機種 スキャンカット ScanNCut SDX1000
メーカー Brother
家庭用カッティングマシンではスキャンカットとシルエットカメオで迷われる方が多いかなと思います。
タッチパネル付きで直感的に操作できそうな感じがあったのと、細かいパーツの正確な切り抜きという面で高評価だったScanNCut SDX1000 を選びました。

同じブラザーのScaNcutでもScanNCut CM300とSDX1000があり、SDX1000が上位機です。
価格差は3万5千円。
CM300とSDX1000のものの違いは紙の厚みに応じて刃先を調整する自動調整機能と、フェルトやスチレンボードなど切れる素材が増えるという2点。
同じ紙しか切らないよ、という方はCM300がお得かもしれません。

いずれもインクジェットプリンタのような形の機械で、半粘着のカッティングマットに紙を貼り付けてセットすると、カッティングマットが前後に動き、カッター刃がくるくる回りながら左右に動いて形を切り抜くという仕組みになっています。

CM300とSDX1000でカッティングマットの種類が違います。
互換性はないようで、また、ヨドバシカメラ等家電量販店ではCM300しかおいていないこともあるためカッティングマットもCM300用しか在庫がなかったりします。
インターネットではどちらも問題なく手に入りますが、SDX1000用のほうがちょっと割高。

カッティングマシン消耗品はカッター替刃と粘着カッティングマット。
SDX1000替刃は自動調整1種類のみで3500円前後。
CM300の場合はカットする紙に応じて刃を交換する必要があり、厚物用・標準など各2200円前後です。

この半年間にカッター替刃は1回、カッティングマットは2回交換しました。
カッター替刃は、同じモチーフを切り出すときにかかる時間が長くなってきたなというタイミングで交換しました。
カッティングマットの粘着力は、数枚紙を貼ったり剥がしたりしただけで割とすぐになくなってしまいます。
すぐに交換するのはもったいないので、貼ってはがせるタイプのスプレーのり(Scotch55など)を粘着力が弱くなるたびにスプレーして使っています。
スプレーで粘着力を補っても、ボール紙を100枚ぐらい切ったりすると物理的にマット表面がボロボロになりますので、交換しないと使えなくなります。


カッティングマシンを導入してどのぐらい仕事の効率が良くなるか、ということですが…
カッティングマシンくんは一人では仕事ができません。
「切り抜き作業はマシンと私の共同作業」ぐらいに思っておけば良いと思います。
というのもカッティングマシンはインクジェットプリンタのような形をしていますし、構造もよく似ているのですが、プリンタとカッティングマシンは似て非なるもの。
プリンタならば100枚の紙をセットして同じものを100枚印刷するのは最初の1枚の印刷をスタートさせれば自動で完了してくれます。

カッティングマシンは以下の作業の繰り返し…

1枚の紙をセット(わたし)
     ↓
1枚の紙を切り抜き(マシン)
     ↓
切り抜いたパーツをマットから剥がす(わたし)
     ↓
カスを取り除く(わたし)
     ↓
新しい紙をセット(わたし)

自動で紙送りしたり、切ったパーツを保存したりはできないので、何百個もパーツを切り出す場合はオペレーター状態で結局マシンに何時間もつきっきりです。

あくまで、わたしとマシンの共同作業…

とはいえ、マシンが切る作業をしている間は他の作業ができますし、ボール紙でお面の材料を300個切り出す必要があったときには、腱鞘炎にもならず大助かりでした。
2mmの差まで判別できるので、直径2mmの円を300個、とか複雑で小さな切り抜きのあるパーツをたくさん切り抜く、とか用途は無限です。

パソコンで制作したものをデータとして取り込んで切り出すこともできますし、
手書きの模様などをカッティングマットに貼り付けてマシンに取り込んだり(本体内にもデータ保存できる)手書きのラインに沿ってそのまま切り抜いたりもできます。
本体に内蔵されている円や文字や模様などのサイズを調整したり、タッチパネル上で編集して切り抜くことも可能。

切り取る紙の読み込み機能が大変優れもの。
余り紙をカッティングマットに貼り付けて読み込みをし、その余り紙の形にそってパーツを配置して切ったりすることもでき、無駄がありません。

パンチではぴったりの型がなく、手切りでは時間がかかるパーツを大量に作る必要がある方や、ワークショップや教室で同じカタチを違う素材で作っておく必要がある方は、カッティングマシンの導入はおすすめです。ただしあくまで共同作業…。
↓画像はカッティングマシンでパーツを大量に作った紙製バッチ。


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